【報告者】 山科設備G:苗村課長 【提案者】藤井貴士 【評価】銅賞(30点)・1万円
【審査側】 小林常務・辻本室長・岡本担当(2026/7/16決裁)
【改善の背景】
山科工場のYS-040H-02号成形機では、製品取り出し時につかみ機(チャック)と金型の位置ずれにより、製品のA面・B面に欠けが発生する慢性的な不良が続いていた。金型のセット誤差がある一方で、つかみ機には左右方向の調整機構がなく、作業者の微調整に頼る運用となっていたため、熟練者と非熟練者で品質にばらつきが生じ、選別工数も増加していた。
【改善内容】
改善では、チャック機構に自動で位置ずれを吸収できる仕組みを追加しました。従来はチャックシリンダーがベースへ直接固定されていましたが、その間にリニアスライドを組み込み、チャックが左右方向へ追従できる構造へ変更しました。また、チャック形状を平行形状へ変更し、前後方向の位置ずれにも製品位置へ自然にならうよう改善しました。これにより、製品をつかんだ瞬間にリニアスライドが自動で動いて芯出しが行われ、金型セット時の位置誤差を機械的に吸収できるようになりました。追加部品はリニアスライドのみで、低コストかつ汎用性の高い改善となっています。

【改善効果】
改善により、つかみ機による製品の欠けがほぼ解消され、これまで毎月発生していた選別作業が不要となりました。1~3月平均で月126時間発生していた選別時間はゼロとなり、選別に要していた約48万円/月のコストも削減されました。改善に要した費用はリニアスライド導入の約3万円のみであり、短期間で投資回収が可能な高い費用対効果を実現しています。また、不良削減に伴い再成形や材料ロスも低減され、品質と生産性の向上にも寄与しました。

【審査コメント】
審査では、非常に優れた改善であり、限られたスペースの中でリニアスライドを活用した自動芯出し機構を実現した点が高く評価されました。一方で、成形現場では粉じん等の影響によりリニアスライドの動きが悪くなる可能性があるため、保守・メンテナンスへの注意が必要との指摘がありました。本改善は既に他設備へ1台横展開されており、設備構造が共通する他拠点への展開も可能な汎用性の高い改善であるため、他拠点でも活用できるよう要約資料の充実を期待する意見が示されました。
※他拠点で同じ改善ができた場合、それを提案することが可能ですので是非とも横展願います。
以上です
